AFROPEOPLE Vol.12 アーサー・ホーランド 前編 | 後編
全身入れ墨でハーレーに跨り、世界を駆けめぐる、不良牧師アーサー・ホーランド。多方面に及ぶモチベーター・講演者として、企業・学校・団体において活躍。「俺は牧師だがキリスト教や宗教は大嫌いだ!」と唄う熱くもユーモア溢れるトークと生き様は「価値ある人生」の再発見を与えるきっかけとして多くの聴衆を魅了し続けている。久しぶりの来福時に、彼の伝えるメッセージに込めた様々な想いについて伺った。
Interview & Edit=K.Sakai Photo=C.Oka
アーサー・ホーランド Arthur Hollands
1951年、大阪府生まれ。ハイスクールを終えた後、父の国アメリカへ。23歳で洗礼を受け、牧師となる。1982年に伝道のため帰国。新宿歌舞伎町でのユニークな辻説法や1992年の日本列島横断十字架行進などで話題を集め、年間200回を超える講演をこなす。1997年「ザ・ロード・エンジェルズ」を設立。現在、アーサーホーランドミニストリー主宰。
言葉っていうのは手段で、大切なものは言葉の背景にある魂だから。
― アーサーさんのブログを拝見しました。強いメッセージ性をもったブログであると感じたのですが、とくに毛筆で書かれた詩集が印象的ですね。詩に書かれているフレーズは、ご自身の中から湧き上がってくるものなのでしょうか?
アーサー・ホーランド[以下 A]
:いやいや、お恥ずかしいですけれども。詩にもいろいろな形があるけれども、自分の言葉で自分が感じるままに書いています。言葉っていうのは手段で、大切なものは言葉の背景にある魂だから。言葉はその道具だと思う。しかしスピリットっていうのは伝えるのに道具が必要だから。その手段としてね、言葉を使っているんですよ。小さい頃は勉強なんてしなかったけど、でもみんな心の中を表現する自由はあって。要は伝わるか伝わんないかだと思うんだけど。…伝わった?(笑)
― 伝わりました。
A
:言わせちゃったかな?(笑)
― いえ、素敵だと思います。それに、毛筆で書かれていることによってより魂がこめられているように感じました。
A:筆って、毛がたくさん集まって束になってるじゃない?あっ。俺が今時間があったら一番やりたい事がね、硯に水を張って墨で摺ること!あれ黒くなるまでに時間が掛かるんだよ。でもね、その部分にいろんなことを考えることができるね。墨って自然のものでしょ?筆も、動物の毛で作ってあるものでさ…。で、毛筆のことだけど。筆ってね、書くとき落ち着いてないと震えるの。俺、よくアメリカで講演会やるときにね、まず最初に白い紙に今日自分が感じている気持ちを書くんですよ。集会の前に心を落ち着けなきゃって思うんだけど、震えるんだよね。そこで「ああ俺落ち着いてないんだ」ってわかる。筆は心の中…スピリットをすごく伝えるんだよね。
ペンや鉛筆はひとつの線だけど、筆はスピリットを伝える手段としてはすごくいいと思う。だからやってるんだけど。字がきれいとか汚いとか、そういうのは考えないようにして。きれいに書こうとすると、下手になるから。「きれい・下手」と「美しい」はまた別の話だと思うからね。美の求道者なんでね。(笑)でも、それって難しいよね。永遠のテーマかな。
― ブログの中に和歌、文学作品の引用も多く見受けられますね。とくにお好きな作品は何ですか?
A
:僕は、夏目漱石の表現力って好きなんだよね。「山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。(草枕)」また、『虞美人草』では美しい女性を表現するのに紫の花に喩えるんだけど。「紅を弥生に包む昼酣なるに、春を抽んずる紫の濃い一点を、天地の眠れるなかに、鮮やかに滴たらしたるが如き女」ってね。こういう表現ってすげえなぁって思うんだけどね!もちろん難しいなとは思うけど、とにかくアーティスティックで。昔の日本人は今よりも自然に対する感性って鋭いものがあったんじゃないかな。
― 日本を代表する文豪ですものね。
A
:今は便利で安全で生活しやすくなった。それはそれでいいんだけれども、日本人の日本人らしさって何だろう?って思うよ。でも、そういう日本人の感性って二千年もの長い間も、DNAの中に伝達されてきてる部分だとも思う。過去には戻れないけど、先人達がこの無情なる人生の中で生き方や成就ってものを見つけながら生き抜いてきた中に、自然とのリレーションシップがあって。俺はそういうものを表現したいって思うわけで。そして、そういうところをちょっと意識するだけで、現代が抱えている問題を脱皮できる部分って意外と多いんじゃないかな?
人間というものは最善と最悪の表裏一体のものだけど、易きに傾きやすいからね。願わくば最善のほうに一歩でも進んでいきたい。
― 毎年数多くの講演で全国を回られる傍らで映画にもご出演されたりと、幅広くご活躍されていらっしゃいますが、アーサーさんを動かす原動力は一体何なのでしょうか?
A
:僕の人生の目的っていうのが、「己自身の完成」と「人々の幸せ」だと思うんだよね。俺自身が完成していく中で、人にとって良いもの…徳を高められるものを提供していきたい。戦いは自分の中にあります。自分の中にはマイナスに動こうとする自分も居るし、そういうのも自分だと受け止めながら。人間というものは最善と最悪の表裏一体のものだけど、易きに傾きやすいからね。そして、人生って無情なことや難儀なことが多い。でもそういった中で、いかに心の中に静けさや大切なものを見失わない自分を持ちながら生きていくっていうのが、みんなに共通する人生のテーマじゃないかな。願わくば最善のほうに一歩でも進んでいきたい。だからたくさんの人に、同じ生きてる人間として体験を踏まえてエールを送っていきたいなと思う。俺が何かを教えるっていうよりも、たぶん答えを見出すものってみんなの中にあって、それを揺さぶる気づきを与えられればいいなと思うよ。僕は求道者だから、そういう求道的なものの見方を、ある意味では感染させていけたらいいなって。
― 1992年の日本列島横断十字架行進(7人で150日間、数十キロの十字架を担いで走破)韓国・アメリカでも同様のパフォーマンスをされたとのことですが、この行進をやろうと思い立ったきっかけは何だったのですか?
A
:当時、僕は日本中の教会を回って講演をしていたんだけど。一般的に牧師というのは建物を拠点にするんだけども、僕は建物を持たない主義で。僕の教会はこの自然界であり宇宙だと思ってやっているものだから。…そうやって日本中を回っていたんだけど、日本はこの150年の歴史の中で、クリスチャンが1パーセントしかいないんだよね。そこで、人が教会に来るのを待ってても来ないなら、出て行くことが必要かな、と。僕が育ったのはちんどん屋と紙芝居の時代だったせいかな。ちんどん屋は町を練り歩く、紙芝居は自転車に乗っていろんなところに見せに行く。そういう発想で、教会に来ないなら、教会のシンボル十字架を担いで持って見せに行く、と。そうやって道端で説法をしながら、夜は講演会をしながらっていうのをやり続けて。韓国で行進をやったときに、当時の農林大臣が俺に興味を持ってくれて。アメリカのカーター元大統領を呼んで、和解の交渉をやったときに俺の十字架を使ってくれたりしてね。これらは自分なりのスピリットでどうしてもやりたいからやったんだけれども。
― 次回は予定しているのですか?
A
:もうね、同じことを繰り返しても、マンネリズムになっちゃうし。クリエイション(創造)とは不可能に挑戦し、それを乗り越えて新しい現実を作り出すことだというからね。だから、今までにやったことと同じことをやってもね。今と前ではスピリットは同じでも、表現の仕方が違うだろうから。だからそこからまたインスパイアーされたらやるかな?
― 最後に、今後の夢をお聞かせください。
A
:よく言われるんだよね、夢って。(笑)
今やってることを忠実にやっていれば、必ず次の道が見えてくると思うから。やっぱり、僕自身が完成することと、人々に幸せを与えること。それが僕の人生の目的なので。そのための表現は無限にあるわけですよね。そうやってたくさん表現しながら、伝えていきたいなと思います。
「不良牧師」の二つ名のように、全身入れ墨に革ジャンと彼の風貌は一般的に私たちがイメージする「牧師」ではない。
それは彼が自らも語るように、宗教という枠を超えたメッセージを訴えかけている表現のひとつなのだと感じた。
普遍的なものの存在を通して、彼は現代が抱える問題とその解決の糸口を私たちに気づかさせてくれる。
自然と人、文化や芸術を愛し、己の道を極める。「求道者」であるという彼からは、並々ならぬエネルギーがひしひしと伝わった。
破天荒だけれども、その言葉には優しさと力強さがあり、そして中心には信念がある。
彼は今日もその一本道を、愛馬のハーレーで駆けてゆくのだろう。
アーサー・ホーランド[Arthur Hollands]
1951年、大阪府生まれ。日本でハイスクールを終えた後、父の国アメリカへ。全米レスリング選手権チャンピオン(サンボ)2回、パンアメリカン選手権大会銀メダル。全米柔道選手権3位。23歳で洗礼を受け、牧師となる。1982年に伝道のため帰国。1988年、ソウルオリンピック選手村の公認チャプレンをつとめる。1989 年、新宿歌舞伎町でのユニークな辻説法が話題になり、そのユニークなスタイルが本になる。1992年、日本列島横断十字架行進を決行、7人で150日間、数十キロの十字架を担いで走破する。後に韓国・アメリカでも同様のパフォーマンスを繰り広げ、数名の元暴力団員が行進に参加。その様子を時事、共同、 UPIなどの通信社が配信し、日本のマスコミが「刺青伝道」と評し、話題を集める。1997年、モーター・サイクル・クラブ「ザ・ロード・エンジェルズ」を設立し、北海道から沖縄まで日本全国7支部を展開。多くのバイカーのフォロアーを持つ。現在、アーサーホーランドミニストリー主宰。多方面に及ぶモチベーター・講演者として、企業・学校・団体において活躍。ユーモア溢れるトークと生き様は「価値ある人生」の再発見を与えるきっかけとして多くの聴衆を魅了し続けている。一方、モデル・俳優としてもマスコミや映画などに出演。年間約5万㎞を愛馬ハーレー・ダビットソンとホンダ・ゴールドウイングで全国を駆け巡り、年間200回を超える講演をこなす。
http://arthur-hollands.com/
早くも福岡で次回の講演が決定!
アーサー・ホーランド牧師が10月後半に再び九州に上陸!
10/25[日] start 19:00〜 ※限定30名 ご予約制
お問い合わせ先:
LANDSHIPcafe 福津市宮司浜4-5-17 tel 0940-52-0381
MANA BURGERS[マナ バーガーズ]
ジャンクフードのポップな手軽さとナチュラルフードの安心とヘルシーを融合した新しいスタイルの日本初楽園バーガーショップ。100%植物性素材を使った、ローカロリー、ノンコレストロールという驚きの“ナチュラルジャンクフード”が人気を呼んでいる。
マナバーガーズの“マナ”はハワイ語で“エナジー”を表し、おいしい=ヘルシー=ハッピーを多くの人と一緒に楽しみたいという願いが込められている。