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2009.05 テーマ:「リニューアル」から生まれるもの

From:中川 直樹 To:吉嗣 直恭

洋書や古い写真を収集されている吉嗣さん。
古いものから刺激されて生まれてくる新しさって、どんなものだと思いますか?
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吉嗣 直恭さん
YIELD
代表


YIELD
福岡市中央区大名1-10-3
TEL 092-732-9508

私が今からお伝えする事は、「リニューアル」という言葉を突然当て嵌めるには、若干ずれている様に感じるかもしれません。しかし、「古いものから新しいものへ」という言葉の意味を考えれば、それなりな文章になるかと思います。

早速本題になりますが、最近私は、古書、とりわけ一番古くて100年前頃のポートレイトや、景色、建物の写真をよく見ています。本業が洋服屋なので、やはり気になるのは着こなしだったり、生地の使い方だったりするのですが。これが、かなり現代では考えられないもので、この目に新鮮に映ります。
8年程前にはアメリカで古着の仕入れも手掛けておりましたので、勿論、古いものへの憧れ等もありますが、一言で古着と言うと安っぽくもあり、ヴィンテージと言うと、何か一部のマニアだけのアイテムと言うイメージが強くなってしまう気がします。イメージとしては、アンティークという言葉が近いかもしれません。そのモノ自体が放出するオーラや、経年劣化の具合の醸し出す雰囲気に勝るものは無いと私は思います。

本当に古着好きな方には不適切な発言かもしれませんが、「古きを知り、新しきを知る」というのでしょうか、そのままの昔の格好をしてもやはり昔の人には勝てないと思うのです。その時代背景にあった生活感、仕事あっての「洋服」だと思うので。
今日、そしてこれからという、街並みや新しいものが揃う中で、その現代さに上手く溶け込ませた、要するに、古いモノをモチーフにしているけどコスプレではない、そんな雰囲気を出していくことが私の理想でもあります。

正直、そういうバランス感覚は非常に難しいものだと思います。センス良くあり、知識、感覚等が上手く融合して行かないといけないでしょうから。
私はこの街、福岡でそういう感覚がもっともっと出てきたらなと思います。
自分はファッション畑の人間なので、自分自身の着こなし、お店のスタッフ、ディスプレイ、古いモノだけを追うのではなく今の自分に取り入れ、自分が持っているイメージに近づき、想像する古い姿を違和感無く、日常に溶け込ませていきたいと思うのです。



他のものに例えると、ここ数年(まあこういう時代だからあるのかなって思うのですが)古民家再生や古いビルのリノべーションの類でしょうか。古い場所に新しい息吹が吹き込まれ、懐かしさの中に新しさが融合し、そこに独特な雰囲気が生まれてきます。
そうして、そこに色々な人が訪れる。
そういうことだと思います。

古着をアメリカでバイイングしている頃、お世話になったアメリカ人がいました。彼は本業が建築デザイナーで、ニューヨークやロサンゼルスのオシャレなレストランのデザインを手掛けていました。(何故仲良くなったか...、正直仕事とは無縁だったのですが)私はよく、彼の手掛けたレストラン、そして日曜日に様々なところで行われるフリーマーケットに連れて行ってもらったものです。
その彼がよく言ってたことなのですが、「なんでもかんでも新しくするとその材料が持っている風合いや汚れ等が全く無くなってしまう。人は、何処か温かみのある事やモノに誰しもが惹かれるんだよ」と。
そして、「私達は偶然にもそういう空間を演出する事が出来たりしている、もっともっといろんな人達に見て貰いたい」とも。

そこを訪れている顧客は、東海岸だったのもあり、いわゆるヤッピー族(死語かな?)でしたが、実際、彼らを中心に店は賑わっていました。

歴史あっての今を、私達は生きているのだと思います。

洋服はやはり本人の色が出やすい分、難しい気もするのですが、たとえば家具や家等であればその人のその好みやイメージが第三者に伝わりやすいかもしれませんね。

そういう意味で「リニューアル」というのは、「古いモノや事を知りつつも、新鮮な事も取り入れていく」って事なのでしょうね。

From:吉嗣 直恭
様々なスポーツを日常的に楽しまれている藤戸さん。
スポーツを通して、どんな「リニューアル」を体感されていますか?

To:藤戸 剛[Directors] → 次回のコラムを読む

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